茅ヶ崎市の官民連携の取組について、同市の企画政策部 総合政策課の河野慧様、松尾翔太朗様、江原明香様にお話を伺いしました。
茅ヶ崎市の官民連携の状況
これまでの茅ヶ崎市の官民連携の取組と連携に至るまでのプロセスや背景を教えてください。
地方創生の機運が盛り上がってきたときに、企業から連携のお話をいただいたり、協定までは至らなくても取組を一緒にやらせていただいたりなど、そういった流れから官民連携の形が生まれてきました。企業と締結した協定の数は2件のみですが、現在動いているプロジェクトは数十程度に上ります。協定を締結するだけであればもう少し数を増やすこともできますが、企業とはお互い具体的にどういうことができるかを出し合って、具体的な実績を積み上げた上で協定を締結するという流れが一般的ですね。
これまでは企業から話を持ち込んでいただくケースが多かったのですが、現在は茅ヶ崎市独自のプラットフォームとなる公民連携デスクを立ち上げ、私たちの方から課題の項目出しをしています。それをHP等で公開することで企業の目に留まり、協力していただける企業があれば連携するという流れです。
企業との連携に取り組んでいる背景としては、地域の課題やニーズが複雑化していることがあります。これらを行政がすべて解決するには、リソースや財源が限られていて難しいため、一緒に社会課題を解決したいと手を挙げていただいた企業と手を組んで進めています。
公民連携デスクを立ち上げたきっかけと地方創生SDGs官民連携プラットフォームはどのように利用されているかを教えてください。
SDGsを切り口にしてパートナーリングを行っている自治体の取組を参考に、茅ヶ崎市ではSDGsパートナーありきではなく、公民連携デスクという形で立ち上げました。
パートナーになった後の動きがないという状況にならないよう、より具体的な課題の解決につながる形として、私たちは公民連携デスクという方法で取り組んでいます。
地方創生SDGs官民連携プラットフォームは、庁内でデスクが立ち上がっていない頃から活用させてもらっていました。自分たちの自治体内に仕組みがない状況で、官民連携を始めるにあたって、連携先を広く募ることができるという期待感があったので、まずは大きな仕組みに乗っかってみようと思いました。
今は公民連携デスクが動き始めたとはいえ、連携チャネルは複数あってもよいと思っていますので、再度課題を整理した上で、地方創生SDGs官民連携プラットフォームもさらに活用していきたいと考えています。
登録課題とそれに対する提案
これまでどのような課題をご登録いただき、何社とお話しされたのでしょうか。
以前に地方創生SDGs官民連携プラットフォームでのマッチングイベント参加に向けて、「カーボンニュートラル・脱炭素社会実現に向けた推進体制の構築」「海洋ごみ、マイクロプラスチックの削減について学習する機会をつくりたい」「企業とタイアップしたボランティア用ごみ袋や清掃用具を市民へ提供したい」「親子向け情報リテラシー講座を開催したい」の開催の4つを登録していました。
マッチングイベントの際に登録したものではありますが、イベント内でマッチングしたというよりは、その後担当課が企業と対話を続けて、官民連携が実現しました。
4件の課題に対して合計で19件の提案が上がってきました。そこから選定を進めて、10団体と意見交換を行ったという経緯になります。イベント内で7社、イベント外で3社から話を聞きました。
連携事例の実績
登録されている事例以外にも、官民連携の成功事例はありますか?また、それは実現するまでの期間としては、どのくらいかかりましたか?
連携事例として掲載しているのは「親子向け情報リテラシー講座を開催したい」のみですが、実は「企業とタイアップしたボランティア用ごみ袋や清掃用具を市民へ提供したい」もマッチングしています。環境保全課のゴミ袋を配りたいという課題に対して、手を挙げてくれた企業がいて、それもマッチングイベントだけでなくその後対話を続けて実現となりました。
「企業とタイアップしたボランティア用ごみ袋や清掃用具を市民へ提供したい」の事例は、12月にマッチングイベントがあり、4月に事業が実現しているので、4~5か月程度だと聞いています。
4件の課題を登録して2件事例に至った反響等はありましたか?
市全体として、特に取り組まなければならないという課題はありますでしょうか。
大きな課題があるというより、具体的で小さな課題の方が各部署も挙げやすいと思います。本来的にはもっと大きな課題を、企業と対話しながらやっていきたいという気持ちはありますが、そこまではできていないのが現状です。
市全体の課題感
大きい課題というと具体的にどのようなものになりますか。
公民連携デスクの今後の展望を教えてください。
公民連携デスクでは各課と民間企業を繋げてはいるものの、企業との具体的なやり取りは各課で行っているため、公民連携デスクが把握できていないケースもあると考えています。公民連携デスクが各課と民間企業のやり取りに一から入り込んで支援できれば進むものもあると思いますが、実際はそれができていないことで、事業化に至っていない提案もあるように思います。
今後は、公民連携デスクと各課が一緒に進めていけるような庁内での連携・推進を含めた道筋を作り出していく必要があると考えています。とりあえず窓口は立ち上がりましたので、次の段階としてそこから先の進め方のプロセスを整理して、きちんと各課の支援ができるように整備を進めたいと考えています。